ごあいさつ
2021年4月から九州大学農学部附属農場長を務めております大学院農学研究院の尾崎行生です。微力ながら附属農場の発展に尽くしてまいる所存ですので、どうぞよろしくお願い致します。
九州大学農学部附属農場は農学部に附属し、農学に関する教育と研究を行う施設として1921年(大正10年)4月に糟屋郡粕屋町原町に約28haを整備して設置されました。その後、1965年に糟屋地方演習林(篠栗町津波黒)の一部に果樹園と放牧場を造成し、1981年には大分県直入郡久住町(現:竹田市久住町)に高原農業実験実習場を設置しました。2021年3月には原町キャンパスから伊都キャンパスへの移転を完了し、同年4月から伊都キャンパスでの教育研究を開始しております。この間、1998年4月の大学院重点化により農場教員を構成員とする農業生産生態学講座(研究分野)が設置され、2007年4月には従来の農業生産生態学研究分野の構成員のうち畜産系の教員が新設の家畜生産生態学研究分野に移行し、両研究分野に所属する教員が中心となって、農場の運営と教育研究に携わっています。
附属農場では、農学部学生に対する農場実習、全学の学生に対する総合科目を開講しており、また大学院においては農場を主な研究フィールドとした農学の実証的教育研究を行い、実学としての農学に関する様々な成果を上げてきました。近年では、九州大学製法「はかた地どりソーセージ(現:博多地どりのブルスト)」の開発(2008年3月)、篠栗果樹園育成三倍体無核ブドウ「BKシードレス」の品種登録(2011年2月)、高原農業実験実習場「九州ブランドビーフ(Q Beef)」の大学ブランド認定(2012年3月)等、農場発のブランドグッズも展開しています。
本学の指定国立大学法人構想に掲げるエントリポイントの1つは「環境・食料」であり、附属農場にはこの「環境・食料」に関する社会的課題の解決や研究シーズを活かしたイノベーションに大きな期待が寄せられています。農場百周年という記念すべき時期に伊都キャンパスにわが国最大規模のオンキャンパス農場が完成しました。この新しいオンキャンパス農場で、飛躍的に充実した教育・研究環境を活用して将来の農学と農業に関わる分野を牽引する人材を育成するとともに、地域・アジアに開かれた実証ファームとしての機能、企業・農業者・関係者との連携の機能も強化しながら、広く社会の期待に応えられるよう教育研究に取り組んでまいりたいと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
2022年4月
九州大学農学部附属農場長 尾崎 行生
沿革
1921年 | 福岡県糟屋郡粕屋町(旧:仲原村)に約28haの原町農場設置 |
1949年 | 原町農場約4haを農林水産省に所轄換えし、面積約24haに縮小 |
1965年 | 福岡県糟屋郡篠栗町(福岡演習林)の丘陵地帯に篠栗農場(果樹園5ha、放牧場14ha)を造成 |
1981年 | 大分県直入郡久住町(現:竹田市久住町)に高原農業実験実習場を設置、動物生産部門発足 |
1984年 | 原町農場に研究実習棟完成 |
2008年 | 高原農場実験実習場が78haに拡充 |
2021年 | 原町農場100周年 |
2021年4月 | 伊都キャンパス農場開校 |
組織図
農場概要
①アグリ・バイオ研究施設(農場本部)・実習棟
アグリ・バイオ研究施設、実習棟
②畜産エリア
乳牛舎、山羊舎、堆肥舎、機械格納庫
③作物・機械エリア
水田、畑、機械格納庫、乾燥調製棟
④園芸(蔬菜・花卉・果樹)エリア
管理棟、機械庫、選果庫、温室
農学部等事務農場担当事務
〇農場担当事務
〇障害者雇用